弘前大学理工学部

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関連施設紹介
先進医用システム開発センター
 QOL(Quality of Life)の向上を目指して、物理的あるいは機械的刺激に対する生体反応の解明から、マイクロ・ナノテクノロジーなどを活用した医用デバイスの開発、さらにその臨床評価までの総合的な研究に取り組んでいます。
 現代はハイテクの時代と言われています。医学の分野においてもこのハイテク技術が積極的に応用され、診断・治療技術の進歩は目覚ましく、早期発見・早期治療に大きく貢献しています。この医学と工学技術との学際的な学問である生体医工学(Medical Engineering)が、現在、注目されています。これまでの外科的な手術に代わり、患者の痛みや苦痛がほとんどなく、短期間で日常生活に戻れる治療(低侵襲治療)をも実現しつつあります。良く知られている超音波画像診断装置やMRI、内視鏡法などは、医学と工学との共同研究によって成し遂げられた成果と言えます。
 当センターは、このMedical Engineering分野の研究を推進するもので、医学部と協力し、生体機能の解明やものづくりの技術を結集して、ナノ・マイクロ医用システム、再生医工学、医療手技シミュレータ、及び医用情報工学の分野で、弘前大学独自の医用システムの拠点形成を目指しています。現在、進めている研究・開発としては、

・心臓外科手術時の大動脈弓内の血流の解析
・脊椎固定術、義肢・装具のバイオメカニクス評価
・ユビキタス環境下ウエアラブル人体行動センサーの開発
・Micro surgery用マイクロデバイスの開発(Fig.1)
・生体用接触圧力分布センサーの開発と計測(Fig.2)
・生体由来材料による人工関節等の開発

などがあります。
 高度なQOLを実現するための医用システムの核となる研究開発を行うとともに、薄膜形成や微細加工、計測技術の分野での産学間の情報交換や技術交流に向けた「微細加工・計測研究会」を通して、マイクロ・ナノテクノロジーに関する技術指導も進めています。



教員
構成
センター長 教授(併任):小野俊郎
教授(兼任):飯倉善和
教授(兼任):伊藤昭彦
教授(兼任):稲村隆夫
教授(兼任):笹川和彦
教授(兼任):福田 眞
教授(兼任):古屋泰文
特任教授:牧野英司
准教授(兼任):岩谷 靖
准教授(兼任):齊藤玄敏
准教授(兼任):佐川貢一
准教授(兼任):佐藤裕之
准教授(兼任):鳥飼宏之
准教授(兼任):麓 耕二
助教(兼任):城田 農
液晶材料研究センター
 液晶とは液体と結晶の性質を兼ね備えた状態を表す言葉で、液晶ディスプレイは液晶状態を示す材料(液晶材料)を用いた応用の一つです。また、私達の体の組織にも液晶状態は存在します。液晶材料は天然にも多く存在しますが、現在用いられている材料の多くは、目的をもって設計・合成されたものです。私達は独自の設計指針により新規化合物を合成し、液晶状態に新しい秩序を構築することによって、高機能光エレクトロニクス材料の開発を行います。また、液晶状態を用いた新しい化学反応プロセスを開発し、環境にやさしい物作りを志向します。さらには液晶状態における薬理活性の発現を目指した医薬品開発の探索を行っています。以下に具体的な研究テーマを紹介します。

図1 液晶材料
1.新しい液晶秩序の構築-階層構造の発現を目指して
 秩序の中にさらに小さな構成要素が存在する状態や複数の秩序が共存する状態を創り出す方法論を探っています。

2.極性液晶の設計
 液晶相において極性基を特定方向に配列させる方法論を探っています。

3.ディスプレイ用高速応答液晶材料の研究
 青森県では新しい液晶ディスプレイの開発を目指して、地域結集型共同研究事業『大画面フラットパネルディスプレイの創出』を進めています。私達はその中で高速応答液晶材料の開発を担当しています。

4.新規なリオトロピック液晶場を用いた環境適合型化学反応プロセスの研究
 化学反応プロセスを液晶場で行うことによって、環境負荷を減らしかつ高収率で目的物が得られる手法の開発を行います。

5.巨核球・血小板造血促進作用に関する分子設計
 細胞は液晶相からなっており、生体内の様々な現象は液晶状態で生じています。医薬品開発の新しい方法論を探索しています。本研究は医学部保健学科柏倉教授との共同研究です。


図2 液体から液晶が出て来る時の模様

図3 偏光顕微鏡を用いた液晶観察
教員
構成
センター長 教授(併任):吉澤 篤
助教(兼任):鷺坂将伸
次世代型IT基盤技術開発センター
 IT技術は、情報通信はもとより自動車、航空機の自動制御、ロボット、知能創生、認知工学、金融ビジネス、電子行政、学術情報リポジトリなどあらゆる社会インフラを支え、産業革命に比肩する影響を及ぼしたと言われています。しかし、五感に匹敵するマルチメディア処理、ロバストな制御を織り込んだヒューマンインタラクション、福祉、電脳病診の円滑な運用や信頼性の保証などの達成には程遠く、人類未来に不可欠な高度情報基盤の更なる整備が必要です。そのためのキラー技術の開発が、次世代型IT基盤技術開発センターの目的です。我々は、半導体デバイスレベルから、プロセッサ、情報処理システム、ネットワーク、インターネットまでオーバーオールに取り組んでいます。以下にその概要を紹介します。

【超高速省電力ユビキタスプロセッサの開発と実用化】
 神のように遍く存在するという意味のラテン語のubiqueに由来し、「至る所にコンピュータが存在し、それらが自律的に連携して動作する情報環境」の意味で使われるユビキタスは諸刃の刃で、普遍性に起因する情報漏洩、普及に対する情報洪水、高度技術に浴せない情報弱者などが懸念されます。この対策として、我々はソフトに配慮したハードの開発研究を行っています。ダブルコアでインタープリータ型Java CPUのメディアパイプとSIMD型サイファーパイプを備えた独自のシングルチップユビキタスプロセッサHCgorillaを創出し、ナノテクノロジィの先駆けとなったCMOS技術でチップ化を行っています。図1に、HCgorillaの試作チップの動作検証の様子を示します。一方、豊富なアプリケーション機能と携帯性に必要なコンパクトさを両立するHCgorillaの命令セットの基に、Javaインターフェースと実行コードレベルの並列性抽出コンパイラからなる言語処理支援ソフトウェアを開発中です。HCgorilla搭載の携帯機器は既存の設備を介すことなくユーザの自己防衛意識を充たし、支援ソフトをサーバ側に置くことでユビキタス環境全体としてのコストパフォーマンスの向上をもたらします。



図1.HCgorillaチップの開発環境


【ネットワーク異常回避プロセッサの開発と実用化】
 不正アクセスやコンピュータウイルス対策の常套手段であるIDSやIPSはNetwork-basedとHost-basedに分類されますが、それぞれに課題があります。我々はそれらの課題を分析し、従来のIDSとIPSの守備範囲を超えた高速低消費電力型高機能ホストベースネットワーク異常回避プロセッサを開発中です。機能レベルではDoS攻撃、ポートスキャン、ウィニィ対策などをカバーし、ゲートレベルでは順序回路のウェーブ化技術を独自に開発し、デバイスレベルではFPGAによるリコンフィギャラブル設計でインターネット環境のドラスティックな変化に柔軟かつ迅速な対応を可能としています。図2に示すような構成で、ネットワークカード形態での実用化を目指します。


図2.ネットワーク異常回避プロセッサのハードウェア構成


【多階層並列処理システムの構築と応用ソフトの開発研究】
 これまでは、並列コンピュータと言えばスーパーコンピュータでしたが、現在では、ミクロからマクロに至るまでシステムの並列化がすすんでいます。例えば、ナノメーターレベルではマルチコア化が進み、地球規模ではグリッドコンピューティングによる並列分散処理が進んでいます。ところが、このようなシステムの処理能力を引き出す応用ソフトの開発は非常に遅れています。我々の目的は、近年、膨大な情報量と計算量を高速に処理する必要に迫られているバイオ分野において、多階層並列処理システムの処理能力を引き出す並列応用ソフトを開発することによって困難な問題を解決することです。図2に、この研究の成果の一例を示します。



図3.地球シミュレータによるヘモグロビンのシミュレーション


【ヒューマンコンピュータインタフェースの開拓】
 人間の視覚をコンピュータ上に実現する研究の一環として、TVカメラの画像から周囲の状況を把握する研究を行っています。この研究から生み出される技術は、監視カメラの映像から異常事態を自動検知するセキュリティーシステム、渋滞や事故などを自動検知する交通流監視システム、車載カメラの映像から障害物や走行路を検出し自動車事故を未然に防ぐ車両安全システム、身振り・手振りでコンピュータを操作するヒューマンコンピュータインタフェース (HCI)など幅広い分野に応用できます。図4から図8に、この研究の成果の一例を示します。


図4.視界不良に強い画像監視技術  図5.重なり車両検出技術



図6.先行車検出技術   図7.路肩検出技術   図8.ジェスチャー認識技術


【次世代ネットワーク用半導体デバイスの開発と実用化】
 次世代ネットワークのキーデバイスの開発設計と集積化、そのための製造プロセスの開発、及び実用化に取り組んでいます。ここでは特に、究極の半導体レーザともいわれている光通信用量子ドットレーザに向けた研究の一端を紹介します。量子ドットレーザは消費電力が少ない、周囲温度が変化しても特性が変わらないために無温調で使用できる、高速直接変調が可能で長距離伝送しても波形の劣化が少ない等、超高速の光データリンクに理想的な特性を有しています。また、量子ドットは高効率な単一光子発生が可能なことから盗聴が不可能な量子暗号通信用としても注目されています。これまでに独自の成長手法を用いることにより光通信波長帯で発光する、よく光る量子ドットが作成できており(図9)、共振器構造の導入により単一光子発生にも成功しています(図10、NTT物性基礎研との共同研究)。量子ドットの基礎物性の評価を進めながらより良好な特性を有する量子ドットの作成技術を確立するとともに、超高速光データリンク用半導体レーザの実現をめざします。



図9.量子ドットのAFM像  図10.量子ドットの発光特性



図11.単一光子発生実験用の共振器構造(写真:NTT物性基礎研提供)


教員
構成
センター長 教授(併任):深瀬政秋
教授(兼任):斉藤 稔
教授(兼任):小野口一則
教授(兼任):岡本 浩
准教授(兼任):黒川 敦
准教授(兼任):種田晃人
准教授(総合情報処理センター兼任):佐藤友暁
准教授(兼任):中澤日出樹
低環境負荷先端材料開発センター
炭素系材料・グラフェン、高温超伝導材料
Research Center for Ecological Advanced Materials

 今日の豊かな生活を支える持続的社会の構築のため、環境調和型で高付加価値を有する新機能材料の創製および効率的な創製技術の開発が求められています。本センターでは、このような現代社会に要求される課題に「新規な低環境負荷先端材料の開発」をテーマとして理工学研究科内の異分野の教員が結集し、総合的な研究開発を推進することを目指しています。理工学研究科内のそれぞれの教員が持つ炭素系薄膜成長技術、合成化学的な技術、世界最高の超伝導転移温度を有する高温超伝導材料の単結晶化技術等を基に、炭素系材料「グラフェン」等や高温超伝導材料のような環境に対する負荷の小さな材料に焦点を当て、構造制御された炭素系材料や単結晶化された高温超伝導材料等、新規な低環境負荷先端材料の開発研究から、その応用技術までの総合的な先端材料開発研究を行っています。本センターでは、単にこれまでの環境負荷の高い材料を環境に対する負荷の小さな材料に置き換える技術開発に留まることなく、次世代型の高機能材料としての低環境負荷先端材料開発を目指しています。特に、本センターにおいて焦点を当てている炭素系薄膜材料のグラフェンや単結晶化された高温超伝導材料等は、テラへルツ領域での技術革新をもたらす高機能材料として、超高速コンピュータの実現・テラヘルツイメージング・テラヘルツ通信・テラヘルツ望遠鏡等、新たな技術革新をもたらす高機能材料としての応用開発が期待さるものです。



1. 合成化学的手法を用いた炭素系材料の開発
 合成化学的な手法を活用し、グラフェン等をはじめとした構造制御された炭素系材料を中心とした新規な低環境負荷先端材料の開発研究を進めている。また、構造制御のされたグラフェン構造等、低環境負荷の炭素系材料の構築に向けた合成化学的手法の開拓についても検討を行っている。


図1.グラフェン


2. 高い転移温度を有する単結晶超伝導体の開発
 100Kを超える高い転移温度Tcを持つ銅酸化物高温超伝導体Bi2Sr2Ca2Cu3O10に着目し、その高品質単結晶の開発を進めています。単結晶は溶媒移動浮遊帯域法(TSFZ法)という方法を用いて作製します。


図2.開発された単結晶

図3.単結晶の超伝導特性


図4.Bi2Sr2Ca2Cu3O10の結晶構造


3. 蛍光性化学センサーの発色団等への応用が期待される新規蛍光物質の開発
 感度の良い蛍光を用いた蛍光性化学センサーは、環境中の有害物質や生体内の生理活性物質の検出に役立ちます。本研究では、蛍光性化学センサーの発色団等への応用が期待される発光効率の高い新規蛍光物質の開発を行っています。


図5.蛍光物質の発光


4. イソプレノイド類の殺菌効果を利用した消臭・除菌剤の開発県産植物から除菌剤の開発に向けて!
 生体触媒による有用イソプレノイド関連物質のBiotransformationにより、新たな除菌剤・消臭剤の試作品の製造を試みています。また、機能性有用イソプレノイド関連物質の抗菌活性および細胞毒性試験と行い、医薬品としての薬効作用と安全性に関する評価を行っています。


図6.試作品『新 iSSOP-イソップ-』


5. 超高移動度半導体薄膜分析評価システム
 グラフェン等の超高移動度半導体薄膜開発のため、薄膜形成中にリアルタイムで元素組成や電子状態を観測できるX線光電子分光装置と、原子レベルで表面構造を分析できる走査型プローブ顕微鏡を、その場同時測定可能な実験装置により、半導体表面の分析評価を行っています。

図7.10-1 Paのガス雰囲気下で測定可能なX線光電子分光装置、走査型プローブ顕微鏡、反射高速電子回折装置、イオンスパッタ銃、固体MBE蒸着装置、試料加熱装置等が装備された超高真空実験装置


教員
構成
センター長 教授(併任):伊東俊司
教授(兼任):岡崎雅明
教授(兼任):渡辺孝夫
准教授(兼任):小豆畑敬
准教授(兼任):遠田義晴
准教授(兼任):川上 淳

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