級数の「不思議発見!」
駆け足自慢のアキレスがカメを追いかけています。
カメはアキレスの前方1000メートルを,アキレスの1/10のスピードで進んで います。
アキレスが,カメのいる1000メートル先に到着する間に,カメは100メートル 先に進んでいます。
アキレスが,この100メートル先に到着する間に,カメはさらに10メートル先に 進みます。
アキレスが,その10メートルをつめる間に,カメはさらに1メートル先に進みます。
アキレスが,・・・,カメが,・・・。アキレスが,・・・,カメが,・・・。
アキレスが,・・・,カメが,・・・。アキレスが,・・・,カメが,・・・。
アキレスが,・・・,カメが,・・・。アキレスが,・・・,カメが,・・・。
アキレスが,・・・,カメが,・・・。アキレスが,・・・,カメが,・・・。
アキレスが,・・・,カメが,・・・。アキレスが,・・・,カメが,・・・。
アキレスが,・・・,カメが,・・・。アキレスが,・・・,カメが,・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
結局,アキレスがカメに追い付くまでに,カメは何メートル進んだのでしょうか?
最初に,100メートルで,つぎが10メートル,そのつぎが1メートルだから・・・
これをずっと続けると・・・
高校3年生のみなさんは,もうおわかりですね。
初項が100,公比1/10の等比級数だから,答えは,
約111.11メートルですね。
それでは,つぎの級数はどうでしょう?
カッコで括って,つぎのように書き直してみましょう。
ですから,最初のカッコは
より大きくなります。
はすべて
より大きいので,
二番目のカッコは,
より大きくなります。おなじように考えると,3番
目のカッコも
より大きくなります。
これを繰り返せば,上の級数は,
より大きくなり,結局,もとの級数は
に発散することが分かります。
それでは,もうひと捻りしてみましょう。
これはどうでしょう?
実は,この級数は
に収束します。試みに,等比級数の公式
を,0から1まで積分してみてください。
それはともかく,いま
と書くことにしましょう。つまり,
この両辺に,2を掛けます。すると,
ここで,右辺をならべかえて,分母が同じものをひと括りにしてみましょう。すると,
不思議なことに,もとの級数が,ここでは
に収束しています。さ
らに両辺を2倍して同じようにならべかえると,
に収束す
ることもわかります。
いったい何が起こったのでしょうか?
答えは,高木貞治,「解析概論」(岩波書店)の第43節,または E.P.ノー スロップ,「ふしぎな数学」(みすず書房) の第7章を読んでみて下さい。