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物質と光


 
Figure 7: 白山羊と黒山羊は何色か?
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物質に光が当たるとどうなるでしょう? 一般には光の一部は物質に吸収され、残りは反射または透過することになります。 もし、全ての色の光が全く吸収されない場合には、 図8 の全ての色の光があなたの方にやって来ることになり、 この時には無色すなわち白色に見えるでしょう。 また逆にすべての光を吸収してしまい、反射光(透過光)が全く無い場合には、 そのものは黒く見えることになります。 (有色のものは見えない)


  
Figure 8: カラーサークル(補色の関係)
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Figure 9: 昼間のキリンが黄色に見えるのはどうしてでしょう?
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それでは次に、物質に当たった光のうちの一部が吸収されて残りが反射(透過)する 場合にはどうなるでしょうか。 この時には図8 の各色の光のうちの一部が欠けた 残り全部があなたの方にやって来ます。 こんどはどう見えるでしょうか。 なんと ! 吸収されて無くなった光の色の向かい側にある色に見えるのです。 これを補色の関係と言います。 したがって、キリンが黄色に見えるのは、 黄色の光だけを反射しているのではなく、 黄色の補色の 紫色が吸収され、残りの全部の色の光が あなたのところへ届いているのです。
 
Figure 10: 分子は光のエネルギーを吸収する
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したがって、それぞれの物質が固有の色をしているということは、 それぞれ固有の色の光を吸収するということを意味しています。 これは物質を構成している分子の性質にそれぞれの個性があり、 吸収する光の色が異なるためです。

では次にこのような個性をどう表現したらいいでしょうか。 それをあらわしている通知表が``スペクトル''です。



Ryo MIYAMOTO
1999-10-28